子供はスヤスヤ眠るのが普通で、鼻呼吸をします。しかし、喉の奥にあるアデノイドや扁桃が肥大して気道が狭くなったり閉塞したりすると、呼吸が障害されます。睡眠中に苦しく感じるので、「眠り」が浅くなります。
上気道の閉塞によるイビキ・無呼吸の出現、そして睡眠障害が生じ、昼間の眠気、集中力の低下などの症状が出現すると、睡眠時無呼吸症候群と呼ばれます。 子どもの場合、酸素不足による身体へのダメージが大きいので、要注意です。
扁桃肥大、アデノイド肥大が最多の原因で、口呼吸となるアレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎による鼻閉も関与します。一般的に耳鼻咽喉科領域の病気が多いことが、子どもの無呼吸症候群の特徴です。
その他、小さな顎、下顎が後退していること、肥満も無呼吸の原因となります。
子どものイビキ・無呼吸の最多の原因は、アデノイド・扁桃肥大です。
病院の耳鼻咽喉科で手術を受け、肥大したアデノイド・扁桃腺を切除することが多いです。
その他、慢性鼻炎の治療が必要な症例もあります。
夜間の症状 | 日中の症状 |
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激しいイビキ | 多 動 |
呼吸が止まる | 注意散漫・落着きがない |
寝相が悪い | 異常行動 |
口呼吸となる | 眠 気 |
その他、おねしょ(夜尿)、起床困難、朝の頭痛、胃液の逆流などの症状あります。
アデノイド肥大・口呼吸があると、顔面の筋肉や骨格の発育にも影響します(アデノイド顔貌)。
夜、イビキ呼吸のとき胸が陥没すること、および漏斗胸(胸が常に凹んでいる)を呈することがあります。スマートフォン・携帯電話で動画撮影をして、睡眠外来の主治医に見せることも一案です。
小学校生活が始まると勉強が忙しくなり、病院の診察を受ける時間がとれないこともあります。イビキ呼吸がある場合、春休み、夏休みなど長期休暇のときに、病院で診察を受けましょう。
小児の睡眠時無呼吸症候群を診断するには、終夜睡眠ポリグラフ検査が必要となります。
睡眠時無呼吸症候群だけではなく、てんかん、その他の睡眠障害も同時に評価することが可能です。もちろん、ご家庭での養育者の観察所見も診断の助けになります。
子どもの場合は大人と比較すると、アデノイド・扁桃肥大による睡眠時無呼吸症候群が大多数を占めます。そのため、病院の耳鼻咽喉科で外科手術が主体となる場合が殆どです。
子供のイビキの原因として下顎後退が認められる場合、小児歯科・矯正歯科で歯科矯正を検討する症例もあります。さらに、肥満児はダイエットが必要となります。
病院の耳鼻科で受ける手術について、外来でよくある質問と回答を紹介する動画を作成しました(下記参照)。