身体の発育には個人差があり、ゆっくりと背が伸びる場合や、
早目に身長が伸びて、その後はあまり背が伸びない場合もあります。
周囲と比較して少し背が低い程度であれば低身長の心配はいりませんが、
何らかの原因により発育不全となっている場合は治療が必要となります。
一般的に子どもの成長と発達に大切なものとして、バランスのとれた
十分な栄養、良質な睡眠、運動があります。また、身体の発育には
内分泌系の要素として、成長ホルモンと性ホルモンが必要です。
身長が気になる場合は、母子手帳にある成長曲線のグラフが参考になります。
成長曲線で子どもの身長の伸び具合が、標準の範囲(-2.0SD~+2.0SD)から
大幅に外れていなければ、あまり心配する必要はありません。
一方、年齢別の平均身長との乖離が大きい、背の成長の程度が悪い場合は、
低身長が病気によることがあるので、早目に小児科病院に相談しましょう。
内分泌異常(成長ホルモン分泌低下、甲状腺機能低下)、染色体異常、
子宮内発育不全、心臓、呼吸器、腎臓、肝臓の病気のほか、四肢短縮型の
低身長症をきたす軟骨異栄養症などがあります。
子どもの場合、充分な時間、良い質、リズムが整った睡眠が得られないと、
低身長や成長障害をきたすことがあります。「寝る子は育つ」のように、
毎日の睡眠を見直すことは大切です。
朝起きられない症状、学校での集中力低下、居眠りが多い、または、
注意散漫、多動の症状があれば、成長と発達に必要な睡眠が充足
されていない可能性があります。
大きないびき、無呼吸発作が頻繁にある、苦しそうな呼吸をしているなど、
眠っているときに、SASに関連した症状があれば、睡眠障害の専門医に
相談しましょう。
最も多い原因は、耳鼻科の病気であるアデノイド肥大、扁桃肥大です。
度重なる夜間の低酸素血症による覚醒は、睡眠の質を低下させ、
成長ホルモンの分泌低下をきたします。
治療せずに放置すると、低身長や体重増加不良の原因となります。
さらに、夜尿や胸郭変形のリスクが高くなります。